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第1回 動脈硬化性疾患の最大の治療は、予防と早期発見

第1回 動脈硬化性疾患の最大の治療は、予防と早期発見

プロフィール

川崎 俊博 大阪掖済会病院 検査室 室長(中央検査室・生理機能検査室)
認定資格:超音波検査士(循環器・血管)、血管診療技師(CVT)


1992年
日本医療学院専門学会専門学校 臨床検査学科 卒業
1992年
岸和田徳洲会病院 検査室 入職(生理機能検査室、血管造影室)
1997年
日本超音波医学会 超音波検査士(循環器領域)取得
2003年
大阪掖済会病院 検査室 入職(生理機能検査室、血管造影室)
2006年
血管診療技師(CVT)取得
2007年
日本超音波医学会 超音波検査士(血管領域)取得
2008年
同 検査室 室長
所属学会 日本臨床衛生検査技師会
日本超音波検査学会
日本心エコー図学会
大阪臨床検査技師会生理部会幹事
発表学会 日本循環器学会
日本心エコー図学会
日本超音波医学会
日本心臓病学会
日本超音波検査学会
American Society of Echocardiography  (ASE:米国心エコー図学会)
American College of Cardiology (ACC:米国心臓病学会)
第20回日本心エコー図学会学術集会にてYIA入賞
論文 Am Heart J.
J Cardiol
Circ J.
筆頭論文 J Am Soc Echocardiogr

前田 久美子 大阪掖済会病院 検査室 副主任(中央検査室・生理機能検査室)
認定資格:超音波検査士(循環器・血管)、血管診療技師(CVT)


2001年
日本医療学院専門学会専門学校 臨床検査学科 卒業
2001年
岸和田徳洲会病院 検査室 入職(生理機能検査室、血管造影室)
2004年
大阪掖済会病院 検査室 入職(生理機能検査室、血管造影室)
2006年
血管診療技師(CVT)取得
2006年
日本超音波医学会 超音波検査士(循環器領域)取得
2007年
日本超音波医学会 超音波検査士(血管領域)取得
2010年
同 検査室 副主任
所属学会 日本臨床衛生検査技師会
日本超音波検査学会
日本心エコー図学会
発表学会 日本循環器学会
日本心エコー図学会
日本超音波検査学会
日本心臓病学会
European Sosiety of Cardiology(ESC:欧州心臓病学会)
論文 Am Heart J.
J Cardiology
Circ J.

動脈硬化性疾患の最大の治療は、予防と早期発見

FMD測定の重要性

高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満および喫煙などの生活習慣病は、心血管疾患や脳血管疾患などの動脈硬化性疾患の危険因子であり、これらの生活習慣病患者では、早期から血管内皮機能が低下している事が報告されています 1) -4)

エコーを用いた動脈硬化の指標として、頸動脈エコーを利用した方法 5) 6)や、冠動脈を用いた方法が知られていますが、非侵襲的、かつ定量評価が出来るFlow-Mediated Dilation (FMD)測定は臨床試験にも多々用いられており 7) 8)、また臨床上重要とされ注目されています。

施設での動脈硬化への取り組み

動脈硬化性疾患の最大の治療は、予防と早期発見です。いかに早く動脈硬化性疾患を発見できるか、また動脈硬化性疾患を発症させないかが重要となります。当院では、動脈硬化性疾患発症の予測マーカーとなる検査に重点を置き早期発見と予防に努めています。

検査の流れ

採血結果で脂質異常や糖尿病などの動脈硬化性疾患のリスクが見つかればCAVI、頸動脈エコー、FMD測定を積極的に行っています。
また、糖尿病の教育入院患者や検診で動脈硬化を指摘された患者には、ルーチン検査としてFMD測定を行います。
CAVIや頸動脈エコーで異常が見られなくても、動脈硬化性疾患のリスクのある患者は血管内皮機能低下の早期発見の為、積極的にFMD測定を行うことが必要と考えます。

検査時の工夫・コツ

検査時の工夫として、上腕動脈の血管を描出する際、計測ポイントがずれないようテープでマーキングを行います。そうすることにより、安静時と血管拡張時の計測ポイントを同じ場所にする事が出来ます。

臨床への応用

血管内皮機能障害は将来の動脈硬化の進行、動脈硬化性疾患発症の予測因子になると報告されています 9)。動脈硬化性疾患の早期発見・予防のためにFMD測定を積極的に活用していく必要があります。

研究のテーマについて

血管内皮機能を非侵襲的に、また定量的に評価できるFMD測定は大変有用な検査ですが、方法が煩雑であり、本邦では臨床上広く利用されていないのが現状です。
そこで、プローブ保持器と自動血圧計がセットになったMISTシステムを用いて、初心者でも簡便にFMDを測定する事が出来るか検討を行いました。

Flow-Mediated Dilatation(FMD)におけるMISTシステムの有用性 (PDF239KB)

今後の展望

今後、動脈硬化性疾患の予防と早期発見のためFMD測定が一般的な検査となり、誰でもできる検査として臨床で広く用いられる事を期待します。

大阪掖済会病院

大阪市西区本田2丁目1番10号
TEL 06-6581-2881
FAX 06-6584-1807

診療科目
内科(内分泌代謝内科、腎臓内科)、循環器科、 消化器科、胃腸科、神経内科、外科、小児科、整形外科、眼科、こう門科、リハビリテーション科、リウマチ科、放射線科、人工透析科、皮膚科
病床数
病院(一般病棟)135床

参考文献

  • 1)Sorensen KE, Celermajer DS, Georgakopoulos D, et al. : Impairment of endothelium-dependent dilation is an early event in children with familial hypercholesterolemia and is related to the lipoprotein (a) level. J Clin Invest. 1994 Jan ; 93(1) : 50-55.
  • 2)Panza JA, Quyyumi AA, Brush JE, et al. : Abnormal endothelium-dependent vascular relaxation in patients with essential hypertension. N Engl J Med. 1990 Jul 5 ; 323(1) : 22-27.
  • 3)Johnstone MT, Creager SJ, Scales KM, et al. : Impaired endothelium-dependent vasodilation in patients with insulin-dependent diabetes mellitus. Circulation. 1993 Dec ; 88(6) : 2510-2516.
  • 4)Celermajer DS, Sorensen KE, Georgakopoulos D, et al. : Cigarette smoking is associated with dose-related and potentially reversible impairment of endothelium-dependent dilation in healthy young adults. Circulation. 1993 Nov ; 88(5Pt 1) : 2149-2155.
  • 5)van Popele NM, Grobbee DE, Bots, ML, et al. : Association between arterial stiffness and atherosclerosis-The Rotterdam Study. Stroke. 2001 Feb ; 32(2) : 454-460.
  • 6)Kawasaki T, Fukuda S, Shimada K, et al. : Direct measurement of wall stiffness for carotid arteries by ultrasound strain imaging. J Am Soc Echocardiogr. 2009 Dec ; 22(12) : 1389-1395.
  • 7)Anderson TJ, et al : Comparative study of ACE-inhibition, angiotensin Ⅱ antagonism, and calcium channel blockade on flow-mediated vasodilation in patients with coronary disease (BANFF study). J Am Coll Cardiol. 2000 Jan ; 35(1) : 60-66.
  • 8)Shimada K, Fukuda S, Maeda K, et al. : Aromatherapy alleviates endothelial dysfunction of medical staff after night-shift work: preliminary observations. Hypertens Res. 2011 Feb ; 34(2) : 264-267.
  • 9)Lerman A, Zeiher AM. : Endothelial function: cardiac events. Circulation. 2005 Jan 25 ; 111(3) : 363-368.