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レポート

「生活習慣病男性例における〔血管内皮機能〕の断面調査」
天王洲クリニック 加藤 仁志先生

私は臨床の現場で実際に血管内皮機能をみることをずっと願っていましたが、FMD研究の進歩によってそれがようやく実現しました。『人は血管とともに老いる』と言われており、早い段階で血管の内皮機能を測定することが重要です。今後『病気にならないための予防医療』としてFMD測定が主流になると考えられます。FMD測定は高血圧治療ガイドライン2009にも記載されております。

高血圧治療ガイドライン2009より

血管内皮機能を評価する内皮血流依存性血管拡張反応は、さまざまな心血管危険因子の影響を受けて低下し、運動や薬物療法で改善する。冠動脈疾患者において、内皮機能障害が予後不良に関連することが報告されている。内皮機能検査は多くの臨床研究により、その有用性が示されており、標準化された簡便な測定方法とその基準の設定がまたれる。

未治療症例の断面調査

生活習慣病未治療の若・中年男性患者60例における動脈硬化のRisk Factor数と血管内皮機能(FMD、NMD)について調査をした。結果、Risk Factor数が増加すると、血管内皮機能が低下する傾向がみられた。

Risk Factor数と%FMDについて

(Risk Factorを肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症とし、Risk Factor:0個、1~2個、3~4個の3群間では、%FMDは0個の群に比し、他の群は有意に低下した。また、%FMDとHbA1C、収縮期血圧、拡張期血圧に弱い負の相関がみられた。以上の内容は、第107回内科学会総会に発表します。)

症例報告

1.脂質異常症の治療介入
薬物フルバスタチンナトリウム(ローコール)治療(2例)とFMDの関係

1.-Ⅰ 64歳 男性
現病歴:脂質異常症

1.-Ⅰ 64歳 男性

1.-Ⅱ 58歳 男性
現病歴:脂質異常症

1.-Ⅱ 58歳 男性
いずれもフルバスタチンナトリウム(ローコール)治療により血管内皮機能の改善が認められた。

2.高血圧症の治療介入
アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)治療(2例)とFMDの関係
2.-Ⅰ 54歳 男性
喫煙歴(+)
現病歴:高血圧症、左室肥大

2.-Ⅰ 54歳 男性

2.-Ⅱ 57歳 男性
喫煙歴(-)
現病歴:高血圧症、左室肥大、耐糖能異常

2.-Ⅱ 57歳 男性
いずれもアリスキレンフマル酸塩(ラジレス)治療により血管内皮機能の改善が認められた。

FMDは心血管病の予測因子であり、生活習慣病では早期から評価するべきものです。今回の断面調査では初診時にFMDの低下を認めましたが、薬物療法にて改善が見られました。心血管病の一次予防のため、第一線の一般診療の現場におけるFMD測定の普及が望まれます。

加藤先生・木庭先生