- 目次
- Endothelial function is impaired in relation to alcohol intake even in the case of light alcohol consumption in Asian men; Flow-mediated Dilation Japan (FMD-J) Study
「日本人男性では少量飲酒でもFMD低下と関連する」(2017年) キーワード:FMD(血流依存性血管拡張反応)、飲酒量、血管内皮機能、少量飲酒、男性 - Endothelial function is preserved in light to moderate alcohol drinkers but is impaired in heavy drinkers in women: Flow-mediated Dilation Japan (FMD-J) study
「女性では少量~中等量飲酒でFMD低下はみられず、多量飲酒で低下する」(2020年) キーワード:FMD(血流依存性血管拡張反応)、飲酒量、血管内皮機能、多量飲酒、女性 - "Binge drinking causes endothelial dysfunction, which is not prevented by wine polyphenols: a small trial in healthy volunteers"
「大量一時飲酒はFMDを低下させ、ワインポリフェノールでも抑制されない」(2007年) キーワード:FMD(血流依存性血管拡張反応)、大量一時飲酒、血管内皮機能、赤ワイン、ポリフェノール - "Dose-related effects of red wine and alcohol on hemodynamics, sympathetic nerve activity, and arterial diameter"
「赤ワイン・アルコールの用量依存的な循環作用と血管機能」(2008年) キーワード:赤ワイン、アルコール摂取量、FMD(血流依存性血管拡張反応)、交感神経活動、血管拡張 - “Does a glass of red wine improve endothelial function?”
「赤ワイン1杯は血管内皮機能を改善するか?」(2000年) キーワード:赤ワイン、FMD(血流依存性血管拡張反応)、血管内皮機能、脱アルコール赤ワイン、ポリフェノール
日本人男性では少量飲酒でもFMD低下と関連する
Endothelial function is impaired in relation to alcohol intake even in the case of light alcohol consumption in Asian men; Flow-mediated Dilation Japan (FMD-J) Study
要約:
筆者らは、日本人男性2,734名を対象に、飲酒量と血管内皮機能との関連をFMDで評価した。対象者は過去1年間の飲酒量から、非飲酒、少量飲酒(0~140 g/週)、中等量飲酒(140~280 g/週)、多量飲酒(280~420 g/週)、極めて多量の飲酒(420 g/週超)の5群に分類された。その結果、FMDは非飲酒群6.6±3.4%、少量群6.2±3.0%、中等量群6.0±3.0%、多量群5.5±2.9%、極めて多量群5.3±3.0%と、飲酒量が増えるにつれて段階的に低下した。特に少量飲酒群でも非飲酒群よりFMDが有意に低かった。年齢、血圧、脂質、糖尿病、喫煙などの心血管リスク因子を調整した解析でも、非飲酒者と比べ、少量飲酒者ではFMDが低い群に入るオッズが1.38倍であり、中等量以上でも同様にリスク上昇が認められた。以上から、日本人男性では多量飲酒だけでなく、比較的少ない飲酒量から血管内皮機能低下との関連がみられる可能性が示された。
女性では少量~中等量飲酒でFMD低下はみられず、多量飲酒で低下する
Endothelial function is preserved in light to moderate alcohol drinkers but is impaired in heavy drinkers in women: Flow-mediated Dilation Japan (FMD-J) study
要約:
筆者らは、日本人女性702名を対象に、飲酒量と血管内皮機能との関連をFMDで評価した。対象者は過去1年間の飲酒量から、非飲酒、少量飲酒(0~140 g/週)、中等量飲酒(140~280 g/週)、多量飲酒(280 g/週超)の4群に分類された。全体のFMDは非飲酒群7.3±3.8%、少量群7.2±3.5%、中等量群8.2±4.3%、多量群5.9±2.5%であった。年齢、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの背景をそろえたマッチング解析では、少量および中等量飲酒者のFMDは非飲酒者と有意差を認めなかった。一方、多量飲酒者ではFMDが5.9±2.5%で、対応する非飲酒者の8.9±3.5%より有意に低かった。薬物治療を受けていない女性に限定しても同様の結果が得られた。以上から、女性では少量~中等量の飲酒とFMD低下との明確な関連はみられない一方、多量飲酒は血管内皮機能障害と関連する可能性が示された。
大量一時飲酒はFMDを低下させ、ワインポリフェノールでも抑制されない
Binge drinking causes endothelial dysfunction, which is not prevented by wine polyphenols: a small trial in healthy volunteers
要約:
筆者らは、短時間の大量飲酒が血管内皮機能に及ぼす急性影響と、赤ワイン由来ポリフェノールがその影響を抑制できるかを検討した。健康な成人20名を10名ずつ、低ポリフェノール飲料群と赤ワイン群に無作為に割り付け、約3時間で合計6杯、純アルコール量約66~68 gを摂取させた。上腕動脈FMDは飲酒前、3杯後、6杯後に測定した。その結果、低ポリフェノール群ではFMDが7.31±4.78%から3杯後2.82±2.90%、6杯後1.21±3.25%へ低下した。赤ワイン群でも8.61±1.78%から1.78±3.71%、1.19±2.60%へ同様に大きく低下し、両群間に有意差は認められなかった。また、血中アルコール濃度が高いほどFMD低下が大きい傾向も認められた。以上から、短時間の大量飲酒は健康な成人でも血管内皮依存性の拡張反応を急性に低下させ、赤ワインに含まれるポリフェノールではその影響を防げない可能性が示された。
赤ワイン・アルコールの用量依存的な循環作用と血管機能
Dose-related effects of red wine and alcohol on hemodynamics, sympathetic nerve activity, and arterial diameter
,要約:
筆者らは、赤ワインおよびアルコールの摂取量によって、血圧、心拍数、交感神経活動、動脈径、血管内皮機能がどのように変化するかを検討した。健康な成人13名が別日に水、エタノール、赤ワインの3条件を経験し、1杯および2杯摂取後の循環反応を比較した。1杯摂取後では、赤ワイン・エタノールのいずれでも上腕動脈径が増加した一方、心拍数や筋交感神経活動には明確な変化を認めなかった。これに対し2杯摂取後では、交感神経活動が約9~10 bursts/min増加し、心拍数や心拍出量も上昇した。しかし血圧には大きな変化を認めず、アルコールによる血管拡張作用と交感神経刺激作用が相殺した可能性が考えられた。また、上腕動脈径は拡大したものの、FMDは改善せず、赤ワインとエタノール単独の間にも明確な差を認めなかった。赤ワイン摂取後にはレスベラトロールやカテキンの血中濃度が上昇していたことから、今回の急性条件ではポリフェノールによる追加的な血管保護作用は確認されなかった。以上から、アルコールの急性循環作用は摂取量に依存し、血管拡張と血管内皮機能改善は同一ではないことが示された。
赤ワイン1杯は血管内皮機能を改善するか?
Does a glass of red wine improve endothelial function?
要約:
筆者らは、赤ワインに含まれるアルコールと非アルコール成分が血管内皮機能に与える急性影響を検討した。対象は健康な成人12名で、同一被験者が別日に通常の赤ワイン250 mLと脱アルコール赤ワイン250 mLをそれぞれ10分間で摂取した。上腕動脈FMDは摂取前と30~60分後に測定した。その結果、通常の赤ワインでは安静時の上腕動脈径、血流量、心拍数が増加したものの、FMDは3.9±2.5%から3.6±2.2%へと改善しなかった。一方、脱アルコール赤ワインでは安静時血管径や血流に大きな変化を認めなかったが、FMDは5.6±3.2%まで有意に上昇した。著者らは、赤ワインに含まれるポリフェノールなどの非アルコール成分が、酸化ストレス抑制やNOの利用可能性改善を介して血管内皮機能を高めた可能性を考察している。一方、通常の赤ワインではアルコールによる安静時血管拡張がFMD評価に影響し、非アルコール成分の効果を覆い隠した可能性もある。
本ページは公開論文の要約であり、診断・治療の代替ではありません。
ViewWaveは、血管のひろがりやすさ(拡張率)とかたさ(体積弾性率)を短時間で測定し、血管の状態を確認することができます。血管の状態の測定・健康イベントをご検討の方へ
健康イベントや施設での健康づくりなど、さまざまな場面で活用されています。